伝票入力効率化のポイント

FX4クラウド[手仕訳]で効率を上げるコツ

1)効率的に伝票入力するなら、FX4クラウドの[入力制御]設定を活用して自分好みにカスタマイズ

FX4クラウドでは、[複合入力]や[5伝票画面]など、いくつかの入力画面が用意されています。
ここでは、基本である[1伝票入力]の画面を前提に解説します。

FX4クラウド伝票画面

伝票入力作業は、各入力項目にカーソルを移動しながら入力していきます。
作業効率を上げるためには、マウスを使わず、ずっとキーボード上に両手を置いたまま連続入力しましょう

使い始めは慣れていないこともあり、マウスを使っているケースをよく目にします。
マウスを使って入力欄をクリックし、キーボードを使って入力。またマウスを使って次の欄をクリックし、キーボードで入力。
この方法では、5項目入力するのに、10回の作業が必要になってしまいます。

カーソル移動は[Enterキー]でも行えますので、マウスを使う必要はありません。
[Enterキー]で移動すれば、両手をキーボードの上に置いたまま、入力もカーソル移動もできるのです。最小限の動作で入力し、効率アップを目指しましょう。

また、FX4クラウドは、伝票入力中に[F2キー]を押下すると[入力候補一覧]が表示されますが、各欄に移動するたびに[F2キー]を押下して一覧から該当のものを探す、というのは手間がかかります。

しかし、ちょっとした工夫で[F2キー]を押下するという動作を削減できます。
FX4クラウドには、自分好みにカスタマイズできる機能があるからです。

このときに利用するのは、[13 入力制御情報]機能です。
前述のケースですと、「各入力欄に移動すると、自動的に[入力候補一覧]をポップアップ表示する」ように設定しておくことで、その都度[F2キー]を押すという動作を削減できます。

しかも、[入力制御情報]の設定は、複数人でFX4クラウドを使用している場合でも、ほかのユーザーには影響しません。ユーザーごとに設定が自動保存される仕組みですので、安心して活用しましょう。

FX4クラウド入力制御情報画面

 
それでは、FX4クラウドで効率的に伝票入力するために押さえておきたいポイント、[13 入力制御情報]の設定方法を細かく確認していきましょう。

(a)[入力候補一覧]を自動表示するよう設定して効率化を図る

例えとしてご紹介した、「自動的に[入力候補一覧]をポップアップ表示する」ための具体的な設定方法を見ていきましょう。
マウスを使うことのない連続入力で、効率的な伝票入力に役立つ活用方法でした。

設定方法は以下の通りです。

[13 入力制御情報]を押下して表示される[入力制御情報]画面で、[取引入力時の一覧自動表示]の中から、自動表示を希望するものをチェックします。

この設定ひとつで、入力時にいちいち[F2キー]を押下することなく、自動的に入力一覧候補が表示されます。
マウスを使うことなく連続的に入力するための第一歩ですので、ぜひ設定しましょう。

FX4クラウド伝票画面

(b)[利用する一覧の種類]を[検索型]にして効率化を図る

勘定科目に該当するコードを覚えている人は多いと思いますが、取引先が多ければ多いほど、取引先コードを把握するのが難しくなります。その場合に役立つのが[検索型]の利用です。

[行選択型]の場合は、たくさんある候補全体の中から探す手間があり、候補が多いほど、ストレスも大きくなります。
一方、[検索型]は、コード・名称・フリガナのいずれでも検索可能で、入力途中でも候補が自動的に絞り込まれていきます。入力が完了しなくても該当のものが見つかりますので、いち早く候補を選ぶことができるでしょう。

現在[行選択型]を使っており、ストレスを感じているという場合には、一度[検索型]に切り替え、体験してみることをおすすめします。

検索型   行選択型
FX4クラウド検索型画面   FX4クラウド選択型画面

 

設定方法は以下の通りです。

[13 入力制御情報]を押下して表示される[入力制御情報]画面で、[利用する一覧の種類]の該当する一覧をの[検索型]をチェックします。

(c)[科目別課税区分一覧]は利用者のレベルに合わせて設定にする

初心者向けの機能として、[科目別課税区分一覧]機能があります。
設定しておくと、取引入力時に[科目別課税区分一覧]として、課税区分と具体的な取引内容が表示されます。経理初心者の方でも、課税区分を間違えることなく選択することができるよう、サポートする機能です。

ただし、すべての取引の設定をしておくとなると、初期設定が大変です。
新しい取引が発生した場合には、新たに設定をしなくてはいけません。その点では、メンテナンスが大変といえます。

初心者に優しい機能ではありますが、困っていない方は設定しなくても構いません。
実際に、多用される方もいれば、まったく利用しないという方もいます。

設定方法は以下の通りです。

[会計情報タブ]の[3 システム情報]で[科目別課税区分一覧を利用する]にチェックします。

2)FX4クラウドの[仕訳DB入力]機能を使って入力動作数を削減

効率のよい入力方法を前述しましたが、次は過去データを活用することで入力動作数を削減する方法をご紹介しましょう。

FX4クラウドには、過去の伝票を読み出して入力に生かす、[仕訳DB入力]という機能があります。
メリットは、【日付】と【金額】を変更するだけ、つまり、最小限の入力動作で作業が完了するという点です。

しかも、過去仕訳を複写して入力するので、科目や課税区分を改めて選択する必要がなく選択ミスの削減につながりますし、摘要欄も入力済みの状態になります。
仕訳帳などで仕訳一覧を表示した際、統一感のある形で確認できるので、見やすさを実感するでしょう。

[仕訳DB入力]機能は、各伝票入力画面で、[F7キー]を押下して利用します。
入力画面の下段に表示されるので、参考にしてください。

注意していただきたいのは、入力カーソルが【年月日】の【日】にある場合のみ、下段にボタン表示がされることです。
ボタンが見つからなくて困った!という場合には、カーソルを【日】に移動させましょう。

FX4クラウド仕訳DB画面

[仕訳DB入力]機能には、もうひとつメリットがあります。
それは、[仕訳辞書]機能のようなメンテナンスが不要という点です。

過去に行った仕訳はそのままで、あるタイミングから科目や摘要欄の記載内容を変更したいと思うこともあるでしょう。
[仕訳辞書]を使っている場合は、登録済みの仕訳辞書をメンテナンスすることで対応できますが、このメンテナンスを忘れていると、修正前の仕訳で入力されてしまいます。

[仕訳DB入力]を活用している場合、一度変更した後は、呼び出した仕訳の中から直近の仕訳を選択すればよいだけなので、メンテナンスは不要です。

具体的な活用方法を確認しましょう。

[仕訳DB入力]画面では、最初に[検索条件指定]の画面が表示されます。
科目名・口座名のほか、取引先名や摘要欄の任意の文字でも検索できますので、とても簡単に入力動作数削減が図れます。

FX4クラウド仕訳DB検索条件指定画面

取引先名で検索すると、以下のように過去仕訳が一覧表示されます。

FX4クラウド仕訳DB検索結果画面

該当するものを選択して[Enterキー]を押下すると、選択した過去仕訳が複写され、入力済みの状態が画面に表示されます。
あとは、日付や金額を変更すれば完了です。

「初めてFX4クラウドを使う」、「経理経験が浅くて自信がない」といった場合には、山岸会計が直近1~2か月分の仕訳を入力した状態で納品します。
つまり、経理担当者は入力開始時から、[仕訳DB入力]機能を使って過去仕訳を読み出し、簡単に入力することができますのでご安心ください。

3)FX4クラウドの[仕訳辞書]は利用せず、メンテナンスの手間を削減

経理初心者向けのサポートとして、また、経理立ち上げ時に入力効率をよくするためなどに役立つ[仕訳辞書]機能を使った入力方法があります。

しかし、現在は[仕訳DB入力]や[FinTech]などの仕訳自動化ツールが発達してきたため、あまり使われなくなっています。
[仕訳辞書]は分かりやすい反面、作成およびメンテナンスが必要で、設定作業に手間がかかるという難点があるのも、使われなくなっている理由のひとつでしょう。

そんな[仕訳辞書]機能ですが、使い方を工夫するだけで有効活用できます。

例えば、[仕訳辞書]の[月末整理タブ]だけ利用するなど、限定的に利用するという活用方法です。
[月末整理タブ]には入力漏れ防止機能があるため、その機能を活かすことができます。

FX4クラウド仕訳辞書画面

[月末整理タブ]で入力すると、各月欄に「●」が表示されます。
すべての項目に「●」が表示されれば入力漏れはないということですので、一目瞭然です。
ただし、月末整理仕訳不要の項目が発生した場合には、メンテナンスする必要があります。

メンテナンスの手間が煩わしいと感じる場合は、[仕訳辞書]を利用しないという選択もよいでしょう。

ご自身のレベルやスキルに応じて、利用する、しないを検討しましょう。

FX4クラウド[自動仕訳](データ連携)を使いこなすコツ

[データ連携]は、TKCシステムあるいはExcel含む他社システムのデータを読み込んで自動仕訳する機能です。大量のデータでも、ほとんど時間がかからず自動で仕訳ができます。

他社システムの場合、このようなデータ連携ツールは、開発費等を支払ってベンダーに設定を依頼するのが通常です。

しかし、FX4クラウドの場合は、機能のひとつとしてすでに附属しています。
“自社で”・“いくらでも”・“無料で”・“自由に”追加設定できますので、[データ連携]を活用すれば、大幅な効率化を実現できるという特徴があります。

では、FX4クラウド[データ連携]の活用方法とその効果を、具体的にみていきましょう。

1)FX4クラウドと業務システムを連携して、詳細な経営データを業務管理に活かす

FX4クラウド[データ連携]を使ってまず連携したいのは、業務システムです。

業務システムとFX4クラウドを連携することにより、会計システム側で詳細なデータを表示できるようになり、業績管理に多大な効果をもたらします。

例えば、販売管理システムのデータをFX4クラウドにそのまま読み込みます。
すると、手入力では到底実現できなかった、【商品別】・【取引先別】・【部門別】などの、詳細な経営データの生成が可能になり、これらをタイムリーに確認することは経営管理レベルの向上につながります。

なお、詳細データを集めるためには、FX4クラウド側でも科目数や口座数などを増やしたり、より多くの残高データが集計できるようにしたりなど、「アウトプットをどのように活用するのか」の検討・設計が必要です。
それに合わせて、販売システムからどのようなデータを抽出すべきかなどを検討しましょう。

2)FX4クラウドとExcelデータを連携して、入力効率・業務効率の大幅アップを実現する

多くの会社には、Excelを使って作成したデータ、いわゆるExcel資産 が大量にあります。
しかし、会社全体として、どれだけのデータが作成されているのかまでは把握しておらず、資産活用ができているとは言い難い状態であることがほとんどです。
それどころか、Excelが大量化・複雑化 した結果、Excel地獄になっている会社もあります。

会計業務における問題としては、Excel入力したあとで、同じデータを再度会計システムに入力しているケースが多いということでしょう。これこそ、非効率の温床です。
Excelデータこそ、FX4クラウド[データ連携]を使って連携すべきデータだということがご理解いただけると思います。

作成済みのExcelデータをそのままFX4クラウドに読み込めば、二重入力が不要になるだけでなく、入力ミスをなくすことができます。
入力時間・チェック時間を大幅削減することになり、業務効率がアップします。

読み込みに適したExcelデータがたくさんある会社の場合には、FX4クラウドの機能の中でもこの[データ連携]が、業務効率化に最も寄与する機能といえるでしょう。

3)FX4クラウドで初めてデータ連携する場合には、確認表を利用して現状・希望を把握する

FX4クラウド[データ連携]を利用するには、仕訳読込テンプレートのマスター設計等を行う必要があります。
初めてデータ連携をする場合には、いきなりFX4クラウドの画面上で作業を開始するのではなく、事前に確認・検討することをおすすめします。

サポートする会計事務所の提供する確認表に沿ってシステムへの組み込みを行えば、望んでいる通りの連携ができるでしょう。

例えば、「現状確認表」では、対象システムまたはExcelから、現在どのような科目・口座・部門・課税区分を使い、どのような頻度や複雑さで会計システムへ手入力しているのかを整理します。
これにより連携内容が明確になるとともに、場合によりデータ整理をしてから連携することで連携が格段にシンプル化できる場合が発見されるなど、連携の前段階でのさまざまな検討が落ち着いてできます。

FX4クラウドシステム確認表

また、「読み込みテンプレート確認表」では、「現状確認表」と連動させて、科目・口座・課税区分などの発生パターンに合わせて、読込テンプレートをどのように設計するのかをまとめます。
これを正確に作成・確認しておけば、間違いなく連携がうまくできます。場合により「条件分岐が複雑すぎる」ことに気づくき、読込Excelの整理など課題が明確になる場合があります。

FX4クラウド仕訳読込テンプレート確認表

この事前準備は、サポートする会計事務所にとって、サポートを受ける会社の現状やニーズを把握する上で大変役立ちます 。また、場合によっては、[データ連携]の障害となる点を早めに発見し、伝えられるというメリットもあります。

障害がある場合でも、既存のExcelデータにほんの少しの修正を加えれば、以降は問題なく連携できる場合も多いです。
そのような調整を経て、問題がないことを確認してから、マスター設計を進めるのが望ましいでしょう。

4)FX4クラウド[仕訳読込テンプレート]読み込みエラーの原因トップ2はこれだ!

[データ連携]を有効活用する最大のポイントは、[仕訳読込テンプレート]の設計です。
元データからどのような仕訳が生成されるべきか、そして元データの中にどのようなデータがあるのか等によって、[仕訳読込テンプレート]の設定内容は変わります。
設計を開始する前に、よくデータの中身を確認しておく必要があることは、前述したとおりです。

FX4クラウド仕訳読込テンプレート画面

この[仕訳読込テンプレート]でよくあるミスは、消費税率と部門明細数の設定です。

  • 消費税率の設定ミス
    8%の場合には「800」を設定する(0.08や8とするミスが多い)
  • 部門明細数の設定ミス
    原則「1」を設定する(「省略」としてしまうミスが多い)

 
税理士法人山岸会計は、過去のサポート経験から、この2つの設計ミスをしている確率は相当高いと実感しています。
読込エラーがあった場合には、まずこの2つの設定ミスをしていないかどうか、確認してみましょう。

5)FX4クラウドに読み込まなくてよいデータがある場合には、[無効行設定]で効率的に解決

[データ連携]が活用できるようになってくると、「今回はこのデータを読み込まずに連携したい」という考えに至ることもあるでしょう。その際、元データをいちいち加工して から読み込んでいませんか?

FX4クラウドの[データ連携]には、[無効行設定]という機能があります。
この設定を利用すれば、元データを加工・修正することなく読み込むことが可能です。

FX4クラウド無効行設定画面

FX4クラウドの[仕訳読込テンプレート]には、このように、工夫できる余地が随所にあります。このポイントを踏まえて、元データを加工・修正することなく読み込めるよう設定しましょう。

どのように工夫すればいいのかわからない場合は、税理士法人山岸会計にご相談ください。
豊富なサポート経験で得た知識とスキルを活かして、ご要望実現のお手伝いをいたします。

6)FX4クラウドと連携元データのコード体系が異なる場合は、[コード変換表]を使って簡単に解決

一般的に、会計システムと業務システムとを連携する場合、コード体系が一致していなければ読み込めません。
しかし、科目コード、部門コード、取引先コードなどが異なるケースはよくあります。
この場合、読み込みのたびに、ExcelのVLOOKUP関数などを利用してコード変換するのは、かなりの手間を要します。

FX4クラウドには[コード変換表ツール]が備わっていますので、いちいち関数で変換する必要はありません。
しかも、[コード変換表ツール]は、変換内容に変更がない場合には、従前が引き継がれますので何も設定する必要のない仕組みになっています。

また、変換内容に変更がある場合には、コード変換CSVを読込みすれば更新されますので、簡単かつ問題なくデータの読み込みができるのです。

FX4クラウドコード変換表

コード体系が異なっている場合には非常に有効な機能ですので、ぜひマスターしたい必須ツールです。

仕訳帳検索機能のポイント

 
FX4クラウドの[仕訳帳検索]は、たくさんの条件検索項目があるので、縦横無尽に検索できる点が大変便利です。さらに、検索スピードが非常に早く、1秒以内に結果が表示されますので、経理作業の効率化につながります。

FX4クラウドの[仕訳帳検索]機能を活用して効率化を図るうえで、ぜひマスターしていただきたいポイントをご紹介します。

FX4クラウド[仕訳帳検索]の便利な使い方をマスターして入力ミスや入力漏れをいち早くキャッチ

[仕訳帳検索]のなかでも特に面白いのが、「消費税額の実額入力仕訳を検索できる」機能です。
消費税は原則として自動計算されますが、誤った金額を入力してしまう可能性もゼロではありません。消費税申告時に多額の消費税差額が発生していることに初めて気づき、申告時点で修正する羽目になってしまう可能性があります。

その点、[仕訳帳検索]の「消費税額の実額入力仕訳を検索できる」機能を使い、実額入力をチェックする習慣をつけておけば、入力ミスのチェックをタイムリーにでき、申告時にバタバタすることはありません。

FX4クラウド仕訳検索画面

なお、[仕訳帳検索]画面には[空欄ボタン]のある項目があります。
このボタンを使うと、「該当項目に値がない仕訳を検索できる」ので、入力漏れの確認に役立ちます。

さらに、“TKCらしい”機能として[証憑書番号追加入力ボタン]があります。
このボタンを押下すると、証憑番号未入力の仕訳一覧が表示されますので、証憑番号を追加することができます。

もちろん、会計処理において【証憑がない仕訳】は、あってはならないものですので、その状態が前提となります。

FX4クラウドの[仕訳帳検索]で仕訳の自動化率を測定し、経理業務の効率化を数値で確認

[仕訳帳検索]画面の左側に、[自動仕訳だけを抽出検索する機能]があります。
「全仕訳のうち、どれくらいの割合で自動仕訳化しているか」が判明する、という機能です。

この機能を定期的に利用して、自動仕訳率がアップしているかどうかを測ってみるもの面白いと思います。
経理業務の効率化の発達具合を推し量る、ひとつの指標 になります。

FX4クラウドが自動表示してくれる[勘定科目残高推移表]を利用して、月次推移を把握する

FX4クラウドでは、「残高推移表における期首たな卸高と期末たな卸高が月次リンクする」ように自動表示される機能があります。
これにより、月次での損益縦計が見やすくなるというという効果があるのです。

FX4クラウド科目残高推移表

本来、期中では【期首たな卸高は 動かない科目】なのですが、FX4クラウドなら自動表示して見やすくしてくれます ので、違和感なく月次推移表を見ることができます。
かゆいところに手が届く、親切な機能といえるでしょう。

FX4クラウドのアクセス制限と部門別機能を活用することで、安心して複数人で使用。効率アップを図る

FX4クラウドは、各ユーザーのアクセス権限を制限することができます。

FX4クラウドユーザ部門参照権限

入力を制限するだけではなく、検索機能にもアクセス制限が可能です。

したがって、[取引問合せ]に用意されている[42 部門別仕訳帳]、[44 部門別取引]、[47 部門別科目残高]、[48 部門別科目残高推移表]などが、ユーザーにとってアクセス可能な部門についてのみ、[取引問合せ]ができるという仕組みです。

人件費は社長親族が管理しており、経理担当者には見せたくないというケースの場合、共通部門のアクセス権限は社長・親族のIDのみと設定します。
こうしておけば、経理担当者は人件費にアクセスできません。

経理担当者が[仕訳帳]を閲覧したい場合には、[部門別仕訳帳]を閲覧し、自身がアクセス可能な部門のみを選択して確認する、という形になります。

月次チェック機能のポイント

FX4クラウド[自動チェック機能]を活用して月次締め切り業務を適正化

FX4クラウドは、残高・仕訳等の[自動チェック機能]が備わっており、人的作業ではチェックしきれない、網羅的なシステムチェックが可能です。
大変便利な監査機能ですので、ぜひ活用しましょう。

FX4クラウド自動チェック機能画面

[自動チェック機能]のなかでも、特徴的なものをご紹介します。

1)残高がマイナスの科目はないか? ~ 人の目では気づきにくい思わぬ落とし穴も見逃さずにチェック

科目残高がマイナスの場合は、人間の目で見てもすぐに発見できるでしょう。しかし、科目残高はゼロで問題なく見えていても、実は内訳の取引先別残高や口座別残高 が入り繰しているという問題が隠れている可能性があります。
例えば、取引先Aで100、取引先Bで△100となっている場合などです。

このような入り繰りは、総勘定元帳を丹念に確認したり、決算申告時に勘定科目内訳表を作成したりする段階で気づく可能性はありますが、月次締め作業中には、そこまで気が回らないのが通常です。

しかし、FX4クラウドなら、 このような入り繰りも含めて、自動的にエラーチェックがかかるため、誤りにいち早く気がつくことができます。

2)口座Zに残高はないか? ~ 人の手を煩わせることなく入力ミスをチェック

口座Zとは、内訳科目の【その他】や【その他取引先】のことです。

決算申告時に勘定科目内訳書を作成する、期中に増減分析を行うなどに際には、できるだけ内訳に【その他】がない方がよいことはお分かりいただけると思います。

確かに、一度だけのスポット取引先については【その他】を利用しても問題ありませんが、それ以外について、例えば入力ミスなどにより【その他】にしてしまっているものがないかどうかを網羅的にチェックできます。

大量の仕訳の中から、毎月人の目を使ってチェックするのは難しいことですので、システムが自動チェックしてくれるFX4クラウドなら安心です。

3)仕入税額控除のための記帳要件を満たしていない仕訳はないか? ~ 法令順守のためにもチェック

FX4クラウドには[消費税法30条が求める記帳要件を満たしているかを自動チェックする機能]があります。

【取引先名】、【実際の仕入年月日】、【元帳摘要(仕入資産等の総称)】などで漏れている仕訳が一覧表示されますので、確認のうえ、必要に応じて補正追加入力を行います。

税務調査の傾向として、消費税の仕入税額控除の記帳要件を満たしていないと否認されるという事例が複数発生していますので、この記載要件は完璧である必要があります。

消費税法の法令順守のために網羅的に仕訳チェックができますので、税務リスクを軽減する便利な機能です。

FX4クラウド[消費税チェック]に役立つ便利な機能とその効果

1)仲間外れの仕訳を探してチェック

[日常業務タブ/ 52 課税区分別取引]を利用すると、【課税区分ごとの仕訳一覧】を表示することができます。
この画面で科目名欄や金額欄をクリックすると、並べ替えができますので、チェックしやすくなるでしょう。

ざっと通査して、仲間外れ、つまり入力ミスにより混入した仕訳を探すことが容易になります。

FX4クラウド課税区分別取引画面

2)不自然な科目・消費税の動きをチェック

[日常業務タブ/ 53 勘定科目別消費税額]を利用すると、科目別に消費税課税区分の入力結果を確認することができます。

例えば、支払利息などで課税仕入になっているという入力ミスがないか、といった確認がしやすいということです。

非課税取引や不課税取引などの分布状況が分かりますので、中身を確認して、課税取引ではないこと等を確認できます。

便利なのは、クリックするとドリルダウン (階層になっているデータを掘り下げて、詳細表示する機能)で仕訳まで確認することができ、その場で、訂正・削除等ができることです。
作業効率が非常によい機能だといえます。

FX4クラウド勘定科目別消費税額

3)個別対応方式の消費税をチェック

課税仕入れを全額控除できるのは、「課税売上高5億円以下かつ課税売上割合が95%以上の事業者のみ」です。
それ以外の場合は、仕入税額控除の計算は、個別対応方式、または一括比例配分方式のいずれかで行う必要があります。

通常では一括比例配分方式よりも個別対応方式の方が精緻で有利な場合があります。
個別対応方式で行うためには、取引入力時にしっかりと課税区分判断をしていくことが重要です。

FX4クラウド部門別課税区分別取引画面

本社部門・共通部門で非課税売上高が発生し、営業部門等においては課税売上のみが発生するケースが大半です。
部門別にみると、【課税売上対応のみ課税仕入】は営業部門で発生し、【共通課税仕入】は主に本社部門・共通部門で発生するという傾向があります。

したがって、[部門別課税区分取引]機能を活用して傾向を分析し、例えば営業部門において【共通課税仕入】や【非課税売上対応課税仕入 】が発生している場合には、その仕訳を確認しておく必要があります。

[部門別課税区分取引]機能は、個別対応方式を採用する事業者にとっては重要な確認画面といえます。

マスター設計機能のポイント

FX4クラウドの部門を活用して、過去も今も未来も、見やすく業績管理

他社の会計ソフト・会計システムの中には、部門を並列で表示することしかできないものもあるようですが、FX4クラウドなら部門を階層化できるため、大変分かりやすいです。

画面で比較すると分かりやすいでしょう。
このように、部門が並列で表示されているだけだと、管理しにくいと思いませんか?

FX4クラウド部門並列イメージ

FX4クラウドであれば、部門を階層化できますので、業績管理がしやすくなります。

FX4クラウド部門階層イメージ

また、合計部門を作ることで、下層部門のそれぞれの動きと、下層部門を合計した全体の動きを確認することが容易となり、階層化イメージ通りに業績管理ができます。

1)ラクラク部門入れ替えで、配置シミュレーションも可能

FX4クラウドなら、ある日突然、社長が「宇都宮工場を本社直轄にする!」などと指示した場合でも、経理は困惑することなく、すぐに対応できます。
[宇都宮工場]をドラッグアンドドロップして[本社]に乗せるだけ。一瞬で組替えが可能です。

FX4クラウド本社直轄にしたイメージ

しかも、この作業をするだけで、本社および宇都宮工場の全体業績が、過去からの数値も含まれたものに一瞬で組み変わります。

その翌日、社長から「やっぱり宇都宮工場は、独立でいい」と言われたとしても、FX4クラウドなら一瞬で元に戻すことが可能で、もちろん過去からの数字もすぐに置き換わります。

このような気まぐれ経営者は少々困りますが、この機能は部門の配置シミュレーションとして使うことができます。
組織の再編が多い会社にとっては、ぜひ覚えて、活用していただきたい機能です。

2)部門横断可能な[部門グループ]機能で、多方面から業績管理確認する

部門横断的に、グループで横串を通して業績確認をしたいと思ったことはありませんか?
FX4クラウドなら、横串しも簡単に通せる[部門グループ]機能があります。

例えば、東京営業部のサービス科と大阪営業部のサービス科の合計を見たい場合などです。

FX4クラウド部門グループ画像

この機能を使えば、縦串・横串を何本でも通せるので、管理者にとっては大変便利です。

FX4クラウド部門別勘定科目残高画面

[部門グループ]設定は、10通り以上できます。
いろいろな組み方をして、多方面からの業績管理確認にお役立てください。

FX4クラウドで科目・口座を細かく設定し、しっかり細かく業績管理

FX4クラウドは、いくらでも科目・口座を作成することができますので、より多く設定し、詳細に業績管理することが望ましいです。

ただし、手仕訳入力の場合、科目・口座が増えるほどに入力が煩雑になりますので、[データ連携]機能を活用した業務系システムとの連携で、入力効率をアップさせつつ、詳細連携するように設定するのがポイントです。

FX4クラウド勘定科目マスター設計画面

また、FX4クラウドは、各科目について[取引先別管理]・[口座別管理]・[部門別管理]の3つの切り口を同時に扱えます。
例えば、売上高を、科目・口座・取引先・部門で分けることで、かなり細かく分析ができるようになります。

FX4クラウドの[取引先マスター画面]を活用して、表示したくない取引先を隠す

取引先は、入力時に文字検索できるよう、【フリガナ】も登録しておくことをおすすめします。
取引先マスターを[ファイル読込]により読み込む場合にも、フリガナを振っておいた方が後々便利です。

また、取引先が増えてきた場合、過去に一度登録したものの取引がなくなったので表示する必要がなくなった、同じ取引先を2通り設定してしまい誤入力を避けるため表示させたくないというケースが発生することもあります。

[取引先マスター画面]の上部にある[表示設定]機能を使って、[一覧に表示しない取引先]を選択することができますので、設定しておきましょう。

FX4クラウド取引先の表示画面

特に、複数人で入力業務を担当している場合などには、この機能を活用することで誤選択なくすことに役立ちます。

経営者なら絶対に身につけたい、資金管理のポイント

FX4クラウドなら、面倒な資金繰り実績表を自動で作成

『資金繰り実績表』は、日ごろから頻繁に作成する資料ではありません。資金繰りが厳しい状態になり、金融機関から提出を求められたときに初めて作成する会社も多いでしょう。

必要になり、いざ作成しようとすると、結構大変で手間がかかることに驚くのではないでしょうか。

このような場合でも、FX4クラウドなら安心です。
仕訳入力時に収支区分を入力する設定にしておくだけで、仕訳の入力完了と同時に、資金繰り実績表が完成している状態にできます。

FX4クラウド資金繰り実績表画面

さらに、[資金繰り実績表]の画面でダブルクリックすると、ドリルダウン(階層になっているデータを掘り下げて詳細表示)して仕訳まで確認することができますので、資金繰りの増減理由分析なども簡単に行えます。

FX4クラウドの金融機関別預貸率表を確認して、銀行対応を検討

複数の金融機関とお付き合いがある企業では、『金融機関別預貸率表』は基礎資料になりますが、作成するのは手間ではないでしょうか?

FX4クラウドの[金融機関別預貸率表]機能を使えば自動的に作成できていますので、大変便利です。
すぐに確認できるのですが、あまり活用できていないケースが多いようです。ぜひ経営にお役立てください。

FX4クラウド金融機関別預貸率表画面

FX4クラウドのキャッシュ・フロー計算書マスター設計が難しければ、別の簡単な方法で半自動作成

FX4クラウドには『キャッシュ・フロー計算書』を作成する機能があります。
キャッシュ・フロー計算書だけでなく、キャッシュ・フロー仕訳定義や、投資活動・財務活動の内訳入力画面などが用意されていますので、最終的にはキャッシュ・フロー精算表等の作成・確認ができる仕様になっています。

ただし、これらマスター設計はかなり難易度が高く、詳しい担当者でない限り、使いこなすことはおろか、作成に時間を要するばかりで完成せず……となってしまいかねません。

しかし、キャッシュ・フロー計算書は月次で作成し、経営管理に役立てたい資料です。

FX4クラウドキャッシュ・フロー精算表

この問題を解決するのが、FX4クラウド[MR設計ツール]です。
キャッシュ・フロー計算書のシステムを作成するのではなく、[MR設計ツール]を利用して、Excel上でキャッシュ・フロー計算を行うのです。

まず[MR設計ツール]を使ってBSとPLを自動的にExcelに飛ばしたうえで、あらかじめキャッシュ・フロー精算表の該当箇所にリンクを設定しておくことで、キャッシュ・フロー精算表が半自動的に作成できます。

キャッシュ・フロー計算書での動きは、大よそ毎月同じような動きをするはずですので、一度[MR設計ツール]で作成すれば、以後はさほど手間がかからないと思います。

注意点としては、未収入金や未払金に設備投資キャッシュが含まれている場合があるため、仕訳時点で内訳管理等をして区分しておくか、取引先別残高等で把握できるのであればそこだけ残高を手集計する必要があります。

FX4クラウドで手形を一元管理すればチェックも簡単

手形管理を手帳やExcelで実施している会社も多いと思いますが、枚数が多いと煩雑で管理が大変です。
FX4クラウドには、[手形管理システム(オプション)]がありますので、受取手形・支払手形を一元管理することができるようになり、大変便利です。

FX4クラウド手形管理システム画面

手形受入登録をすれば、受取手形の受入仕訳が自動計上されるなど、残高と明細が一致する形式で業務が進むため、チェック効率も向上します。

[手形明細]画面で[残高チェックボタン]をクリックすると、受取手形や支払手形、割引手形などの科目残高と、登録済みの手形明細合計額の一致が簡単に確認できるなど、便利なチェック機能があります。

FX4クラウドの支払・入金管理は利用価値の高い機能

FX4クラウドは[支払管理]・[入金管理]機能があります。
特に[支払管理]機能は、各種の支払データ登録や支払確定、出納承認のほか、そこから支払仕訳やインターネットバンキングの振込用データ作成などが一括で処理できるため、使いこなせるようにしておくと便利な機能です。

FX4クラウド支払管理出納承認画面

ただし、完全に活用するためには、すべての支払・出納データを登録する必要があります。

未払金が計上される場合には、仕訳計上時に支払予定データを登録する画面が出てきますので漏れなく入力できると思います。
しかし、家賃やリースなど契約に基づく支払などで未払金を計上しない場合には、予定入力ができません。支払管理画面で、随時登録する必要がありますので、少し注意が必要です。

手間を踏まえても、出納承認など内部統制をシステム化したいといった、ややハイレベルなニーズにも役立つ、利用価値のある機能です。

経営者なら絶対に極めたい、業績管理のポイント

FX4クラウドの[変動損益計算]で未来会計を行う

FX4クラウドは、[変動損益計算]が自動作表される機能があり、さらに、「どこをどういう観点で見ればよいのか」というアシストが画面上に表示されるという機能も備わっています。

FX4クラウド変動損益計算書画面

変動損益計算書は、経営者が業績管理をする際に役立つ資料です。
この機能を活用することで、業績向上のための観点・管理がわかるようになります。
固変分解については科目別でしか区分できませんが、それでも固定費管理などには威力を発揮するでしょう。

また、変動損益計算書がマッチする場合には、当期決算(着地点)先行き管理などもFX4クラウド上で可能となり、決算対策などの検討をいち早く行うことができます。

FX4クラウド計画策定行き先管理画面

[変動損益計算]は、【未来会計】ができるのが特徴です。
ぜひFX4クラウドで、会計システムを過去会計としてのみではなく、未来会計ツールとして活用していきましょう。

FX4クラウドの[部門別予算策定システム]で計画策定を行う

FX4クラウドは、部門別予算の“複数”登録が可能です。
金融機関への提出済予算や、社内目標予算、必達予算、社長夢予算などいくつかを使い分け、それらを実績と比較しながら業績管理していくことができます。

[部門別予算]は、当期・翌期で登録でき、読込用ファイルからの一括読込も可能です。社内でオーソライズされた予算を一括読込して活用するのにも役立ちます。

FX4クラウド予算実績管理画面

平成30年2月からは、[部門別予算策定システム]により、さらに予算策定の社内業務フローを電子化することが可能になりました。

FX4クラウドの[配賦計算]で生産的な共通費配賦を行う

本社経費や複数部門に共通する経費等が発生した場合、そのままでは各部門の業績を正確に評価することができないので、何らかの配賦基準により各部門へ配賦することがあります。

配賦基準については、以下のようなものが考えられます。

  • 共通部門の変動費……各配賦対象部門の【当月売上高】など
  • 共通部門の人件費……各配賦対象部門の【人員数】など
  • 共通部門の固定費……各配賦対象部門の【操業時間】など
  • 共通部門の設備費……各配賦対象部門の【床面積】など

 
FX4クラウドは、これら共通費の自動配賦ができます。配賦マスターを設計しておけば、毎月の作業は[配賦計算ボタン]押すだけですので、とても生産的です。

複数の共通部門を設定し、各共通部門に配賦先部門や配賦基準を細かく設定することができます。
また、配賦基準として、従業員数や床面積などの【非財務情報】を指定することも可能なので、柔軟な配賦ができます。

FX4クラウド共通費配賦画面

注意点は、あくまでも、管理会計の機能として[変動損益計算書](部門別利益管理表)画面に表現されるもので、決算書と連動する勘定科目残高には反映しません。
反映させるためには、能動的に配賦仕訳を切る必要があります。

また、[共通費配賦]機能を使わずに、[MR設計ツール]を利用して、Excel上で配賦計算をすることも可能です。
[MR設計ツール]で簡単に抽出できるうえ、Excelですので計算過程が見やすく、さらに結果を各部門に配賦仕訳し勘定科目残高に反映することが可能です。

なお、FX4クラウドに入力しておけば、【非財務情報】も[MR設計ツール]により簡単に抽出することができます。

経理担当者なら絶対に習得したい、経営分析書類作成のポイント

FX4クラウドの[MR設計ツール]なら、常に最新の情報で、迅速な作表を実現

FX4クラウド[MR設計ツール]の「MR」は「マネジメントレポート」の略。[MR設計ツール]は、FX4クラウドのデータを使用して、自社独自のオリジナル帳表がExcelで簡単に自動作成できるツールです。

一度設計すれば、Excelを開くだけでFX4クラウドの最新データがセットされます。
報告書を作成するたびに、Excelの数値を修正・確認する必要はなく、大幅な効率化が図れます。

FX4クラウドMRツールイメージ図

下図は[MR設計ツール]とExcelがどのように連動するのかを表したイメージ図です。

FX4クラウドMRルーツExcelイメージ図

科目コードや部門コードなどを配置し、FX4クラウド関数にて各コードを設定することで、最新実績をExcelに表示できるようになります。

[MR設計ツール]を利用すれば、FX4クラウドに残高のある多くの項目を引っ張ってくることが可能です。社内報告用資料、経営者の分析用、経理担当者のチェック用など、さまざまな用途で利用できます。

それでは、[MR設計ツール]を活用するためのポイントをご紹介します。

1)[MR設計ツール]利用時の設定

[MR設計ツール]は、FX4クラウドの残高を抽出できるExcelアドオンシステムですので、利用にあたり、以下の設定が必要です。

(a)ユーザーごとに[MR設計ツール]の利用の「可」「不可」を設定

[会社情報 / 業務範囲の設計]で業務範囲ごとに[MR設計ツール]の利用設定を行います。
このユーザー設定を忘れてしまうことが結構ありますので、ご注意ください。

(b)Excelに[MR設計ツール]をアドオンする

Excelへのアドオン自体は簡単です。
FX4クラウドの上部にある[ツール]から[マネジメントレポート設計ツールの設定]をクリックし、利用しているExcelのバージョン(Excel2013やExcel2016等)を選択すれば完了です。
※利用パソコンに、従来の[MR設計ツール]がインストールされている場合には、最初に削除する必要があります

FX4クラウドMR設計ツールのExcel アドオン設定画面

2)[MR設計ツール]を活用しやすいスタイルは『2シート型』

[MR設計ツール]の活用方法としてよく使われているのは、『Excelの2シート型』と呼ばれるスタイルです。
[MR設計ツール]で取り込んだデータそのままではわかりにくいので、報告書やチェック表など見やすい形にします。

1シート目 [MR設計ツール]で、BSやPLなどさまざまなデータをそのまま吐き出し、そのまま取り込むためのシート。
2シート目 人間が見やすい帳表形式の表スタイルに仕上げたシート。1シート目のデータをリンクさせておけば、Excelがデータを取り込んだと同時に2シート目、つまり、実際に思料する帳表が完成する。

このスタイルを用意しておけば、いつでも加工ができる(リンクを貼り替えればすぐに修正できる)ので便利です。

3)[MR設計ツール]のマスターの使い方

[MR設計ツール]の操作は、大別すると【マスター】と【FX関数】の二つと言えます。
まず、マスターについて説明しましょう。

(a)マスター情報の配置

マスターとは、まさにFX4クラウドのマスターのことで、勘定科目、部門、取引先、従業員数等の、非財務情報のことです。

FX4クラウドは会社独自の設計になっていますので、会社独自の科目や取引先となりますが、[マスター情報の配置]を設定すると、FX4クラウドから、設定時点のデータが参照されてExcelに配置されます。

[MR設計ツール]がないと、手動で科目や取引先を会計システムから切り出してこなければなりませんので、このマスターだけでも便利な機能です。

FX4クラウドMRマスター画面

科目と取引先など、複数マスターを同時に配置することも可能です。
未払金の取引先別残高表を作成したい、売掛金の部門別かつ取引先別残高表を作成したいなども、自由自在に作表できます。

(b)マスター関数の挿入

次はやや高度なマスターの使い方になります。

科目追加や取引先追加などマスターが変更になった場合、過去に[マスター情報の配置]を利用してExcelに配置していたマスターのままでは、当年度の作表ができません。
マスター配置の修正修正する必要があります。

しかし、[MR設計ツール]には、[マスター関数の挿入]という機能があります。
これは、Excelを開いたとき、常に最新のマスターを参照してくるというもので、マスター配置修正の手間が不要です。漏れが発生する心配がありません。

[マスター情報の配置]を使えば、本当の意味での【最新情報による自動作表】ができます。

4)[MR設計ツール]のFX関数の使い方

次は[MR設計ツール]のもうひとつの代表的な操作である、FX関数について説明しましょう。

[マスター情報の配置]が終わったら、今度は各種の残高を持ってくるという作業です。
[FX4クラウド関数ライブラリ]から、用意されているFX4クラウド関数を選び、表示される[引数の指定]画面を使ってリンクを設定する、という手順で完了します。

FX4クラウド関数は、SUM関数など、Excelで利用する関数に近いものですし、関数自体が日本語なので、分かりやすいと思います。

FX4クラウドMR関数画面

めずらしい関数としては、[処理年月関数]があります。
これはFX4クラウドのシステムが持っている年月データを拾ってくるものです。
推移表を作成するのに役立ちますので、ぜひ使いたいFX4クラウド関数のひとつです。

5)[MR設計ツール]なら修正仕訳が入ってもボタンひとつで即時作表

会社独自帳表をExcelで作表したあと、会計システムに修正が入った場合は、また会計システムから残高データを切り出して作業をしなければなりませんでした。

しかし、FX4システムの[MR設計ツール]には、[最新の情報に更新ボタン]が備わっていますので、ボタンを押下するだけで、一瞬にして最新情報に切り替わります。

FX4クラウド最新の情報に更新ボタンの画像

決算中など、断続的に修正仕訳が入った場合でも、時間をかけずに何度でも作表できるので、効率的です。

Excel表が常に会計システムと一致しているという安心感は、経理担当者としてもありがたいものです。
経営者としてもいち早く帳表を確認できますので、経営管理上も有用です。

6)[MR設計ツール]のおすすめ作表ステップ

[MR設計ツール]を初めて使う場合には、まずは自社で作成に時間がかかっている経営管理資料を自動化する、というステップがよいでしょう。

最初のステップで経理担当者が[MR設計ツール]に慣れてしまえば、あとはご自身のチェック表や、決算時の勘定科目内訳書などを[MR設計ツール]で実現するという、次のステップに進みます。

かなり慣れてきたら、より付加価値の高い資料を作成できるよう、[MR設計ツール]を使いこなすことが望ましいです。

例えば、BS・PL科目を[MR設計ツール]で飛ばし、キャッシュ・フロー精算表を半自動で作成するようにし、月次のキャッシュ・フロー計算書を経営管理資料に追加するといった具合です。

また、FX4クラウドに非財務情報である従業員数、来客数、契約数、稼働時間、面積、数量などを入力しておくことで、[MR設計ツール]により財務情報と非財務情報を組み合わせた、今までにない経営管理資料を作成できます。
1人当たり売上、1平米あたり売上、1人当たり限界利益額や付加価値額、来客数・契約数と売上高の相関関係など、非財務情報との組み合わせは意外な有用情報となるケースがあります。

このような作表が可能になるまで使いこなせると、経理業務がさらに面白くなるのではないでしょうか。

FX4クラウドの[部門業績管理表]で瞬時に見やすくグラフ化し、経営者をサポートする

[部門業績管理表]は、部門別の業績を簡単に集計して自動的にグラフ化し、順位付けして表示する機能ですが、特に便利なのは、部門グループによる比較もできる点です。

例えば、各工場の下層に複数部門がある場合、単純に部門別ランキングをすると、たくさんの部門が表示されてしまい、見にくくなってしまいます。

[部門業績管理表]なら、部門グループの[工場]を選択することで、工場別ランキング表に置き換わります。

FX4クラウド部門別ランク表画面

このような動きをExcelや紙資料で実現するのは大変ですが、FX4クラウドであれば数秒で表示できますので、経営分析として「気になる所」をどんどん掘り下げたり、分析したりすることができます。

タイムリーかつフレキシブルに、縦横無尽の分析がいつでも・どこでも・誰でもできるのが、FX4クラウドの優位点です。

とてもよい機能ですが、なかなか使いこなせていない機能のひとつではないかと思います。ぜひ、会計事務所と経理担当者・経営者が一緒に画面を見ながら、「なぜこうなのか?」という問答をしてみましょう。

連携クラウドシステム

FX4クラウド × PX4クラウド(給与計算) ~ 会計システムと給与計算をシームレスに

[PX4クラウド]は、FX4クラウドと連携可能な、給与計算・社会保険・年末調整のシステムです。

FX4クラウドPX4クラウド画面

給与計算時等にエキスパートチェックを実施し、入力ミス等について警告メッセージ等を表示し、ケアレスミスの早期発見と適正な計算処理を支援します。

もちろん、税法や社会保険の法令改正が行われた場合は迅速に対応します。

また、月々の給与および賞与の計算結果をもとに仕訳データを作成し、FX4クラウドに仕訳連動ができますので、生産性向上につながります。

[PX4クラウド]の便利機能・おすすめポイントをまとめると、以下の通りです。

  1. 1,従業員・扶養家族の、所得税・社会保険のために取得するマイナンバーは、[PX4クラウド マイナンバー管理システム]に入力するとTKCのデータセンターに保管される。各PCにはデータが残らないため、マイナンバーの紛失・盗難等の恐れがない。
  2. 2,WEB給与明細(源泉徴収票も含む)が利用できるため、給与明細の印刷・発送(手渡し)作業が不要になり、また、渡し間違いなどのミスがなくなる。
    社員も、いつでも給与明細・源泉徴収票を閲覧・印刷でき、紛失等のリスクがない。
  3. 3,算定基礎届、入社時の社会保険申請書作成、年末調整計算等が可能。
  4. 4,源泉所得税の納付額が計算でき、納付書作成のほか、電子納税が可能。
  5. 5,給与仕訳等をFX4クラウドに仕訳連携することができ、生産性が向上する。

[PX4クラウド]の導入・運用は会計事務所が支援します。

給与計算や年末調整は、とかく膨大な紙資料により煩雑化しがちです。
給与計算事務を電子化して作業効率を向上しつつ、給与データを会計システムに連携させるなどして生産性の高い経理を目指しましょう。

FX4クラウド × 固定資産クラウド ~ 安全に・システマチックに管理

[固定資産クラウド]は、企業が自身で固定資産管理するためのシステムです。
従来は会計事務所にシステム運用まで任せっきりになっていた場合でも、[固定資産データ読み込み]機能によりスムーズに導入ができます。

自社で固定資産システムを持つメリットとしては、自社の固定資産現物管理がしやすくなる点があります。

例えば、固定資産台帳と完全リンクした資産管理ラベル・現物照合表を出力できるため、事業所・設置場所別の固定資産棚卸に活用することができ、同一物認定が容易にできるようになるため、現物管理が向上します。

また、固定資産システムから会計システムへ、取得・除却・売却・償却の仕訳を連動させることで固定資産に関する経理業務も省力化します。

毎年の償却資産申告書の基礎データも生成できるため、申告業務もミスを防止しながらタイムリーに実施できるようになります。

会計事務所に固定資産システムを依存していると、年に1回の減価償却費計上になりがちですが、月次でタイムリーに償却費を計上することで、月次決算や決算予測の精度も高まり、より戦略的な経営管理をすることが可能になります。

固定資産が多い企業においては、自社で固定資産システムを保有し管理することをおすすめします。

FX4クラウド × SX4クラウド(販売購買管理) ~ 販売購買管理の連携で効率化

[SX4クラウド]は、FX4クラウドと連携可能な販売購買在庫管理システムです。
特に、在庫管理が煩雑な小売業などの会社において、請求業務、仕入業務、在庫管理業務をオールインワンのパッケージソフトで管理できるので有効です。

FX4クラウドSX4クラウド画面

さらに、売上・入金・仕入・支払のデータ生成後に、それをFX4クラウドに仕訳連携することができるため、中心業務のほとんどを自動仕訳化するというメリットがあります。

日々請求書を発行している会社であれば、データを日次で仕訳連動すれば、【日次決算】ができるレベルにまで早期化できます。
[SX4クラウド]とFX4クラウドを連動することは、経営管理のうえで、相当の早期化効果が期待できます。

FX4クラウド × TKC電子納税かんたんキット ~ 簡単・効率的に、デスク上で納税完了

[電子納税かんたんキット]は、FX4クラウドと連携可能な、電子納税システムです。

FX4クラウド電子納税かんたんキット画面

源泉所得税などの計算後には、納税手続きが必要です。紙の納付書により銀行窓口で納付する方法は、時間的ロスが大きいといえますが、通常のダイレクト納付などでは事前に税務署へ届出等をしておく必要があり、すぐには利用できません。

しかし、この[TKC電子納税かんたんキット]は、即日・簡単に電子納税をスタートすることができます。

納付書のイメージ画面で入力でき、また[PX4クラウド]とも連携するため、納付書データが連動します。画面確認をしたら、銀行へ行くことなく、そのまま納付手続きまで完了します。

とても簡単・便利なツールですので、導入をおすすめします。